TOP > Site map > about FETCo. > about author
誰だって「自分」が一番大事。
それは至極当然の事。決して恥じる事じゃない。
でも、忘れないでください。
それは、あなた一人だけじゃない。
あなたの対岸に座るその人にとっても、
守らなければならないものが自分自身かも知れない、という事。
ジョン・レノンの有名な曲に『イマジン』があります。
「想像してみよう」と歌い出されるその曲は反戦の歌だと言われ、戦時中には世界各国で放送が自粛されてしまう曲です。
とても美しい、優しい曲なのに。
それは戦争という物が、どんな大義名分を振り翳しても、正義の為と謳っても、所詮、大量殺戮を生み出す場に過ぎないからではないでしょうか。
優しさに目を瞑らなくては行えないような、そんな物だからではないでしょうか。
私は戦記を書きます。たくさんの人の死を描いて来たし、これからもまた、描き続けていくでしょう。
そんな私が言うのは、偽善かも知れません。けれど、私は心から願わずにいられないのです。
世界から、戦火が消える日を。
世界は毎日、悲しいニュースに溢れています。戦争、テロ、残虐な事件……。
想像してみてください。
あなたの大切な人が、そういった悲しい事件に巻き込まれる事。失った時に感じる、やりきれない、途方もない悲しみを。
仕返しをしたくなるかも知れません。仇を討ちたくなるかも知れません。
けれどそこでもう一度、思いを巡らせてみてください。
あなたが復讐しようとする、そこにいる「誰か」にも、大切な人がいるかも知れない、という事を。
殴られ続けろ、とは言いません。黙って引き下がれとも言えません。
だけど、けれど。
ほんの少し想像してみる事で変わる事があるかも知れないと、そう思ってみるのは甘いでしょうか。
誰だって、殴られたら痛いのです。乱暴な仕打ちを受けたら悲しいし、逆に、優しくされたら嬉しくなるのです。
そんな簡単な想像を、私達はいつから出来なくなってしまったのでしょう。
小さきは道を譲る事から、大きくは戦争まで。
皆が皆、相手を思いやり、少しの想像をする事が出来たなら、世界はもう少し、優しくなれるような気がします。
私が言うのは、単なる理想論かも知れません。絵空事かも知れません。
それでも願わずにいられないのは、少しでも理想に近づいたなら、どんなに素晴らしいだろうと思うから。
私は世界の隅っこから、たとえ小さな声でも言い続けます。「戦争反対。テロにも、報復攻撃にも反対します」と。
巡り来る新しい時代、世界が優しいものであるように。
このページは『Moon Garden』さんの呼びかけ「テロにも、報復攻撃にも反対します」に賛同して2001年10月18日に作成、後に改訂したものです。